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フリーランス(自営業者)にオススメの制度です。

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(fujifilm X-T2 XF16-55mm)

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小規模企業共済とは

「小規模企業共済」制度は
「小規模企業の経営者(役員)」や
「個人事業主」のための
積立方式の退職金制度です。

毎月一定の掛金を払い込み、
退職・廃業時に共済金として
一括もしくは分割(併用も可)で
受け取ることができます。
一括の場合は退職金
分割の場合は年金
で受け取るというイメージです。

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将来の退職金(年金)の積立ですので、
将来の受取額がそれよりも少なくなるなら
それは加入の価値が乏しいと判断できます。

さて、一体どうなのでしょうか?

結論は、、、
加入資格(要件)を満たすなら
加入の価値あり
、です。

<加入資格>

独立行政法人 中小企業基盤整備機構

その理由を紐解いていきます。

節税効果のある退職金(年金)積立制度

目先の節税

この制度加入によって支払う
「掛金」の年間支払額について、
“所得控除”という恩恵が受けられます。

所得税・住民税の税額は
“課税対象金額”を計算して、
それに税率を乗じて算定します。

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この“課税対象金額”を計算する際に
その年中に支払った掛金をマイナスできます。

その結果、「その年に支払った掛金×税率」分だけ
納税額が低く抑えられます。

スクリーンショット 2019 10 15 8 51 13

“課税対象金額”が600万円の場合、
掛金月額を10,000円、
年間で120,000円支払うと
所得税と住民税合わせて
約36,000円ほど節税効果があります。
(その人を取り巻く環境によって増減します)

ただし、これは目先の節税であって
将来一括(退職金)または分割(年金)で
受け取る際には税金がかかります。

そこで、税金面でのメリットは
将来の税負担との比較という
視点が大切になります。

また、一定期間掛金を支払って
将来まとまったお金を受け取ると
いう仕組みですので、

支払った掛金がどれくらい増えるのか
元本割れしないかどうか

このあたりも気になるところです。

順を追って確認していきましょう。

まずは仕組みを理解するために掛金から。

掛金

掛金は毎月1,000円から設定でき、
500円刻みで最高70,000円まで
掛けることができます。

最低で年間支払額は
12,000円になります。

掛金月額を満額の70,000円にすると
年間の支払額が840,000円。
課税対象金額が600万円の場合、
節税効果は約250,000円です。

加入する際に、月額いくらにするかを
決めて申し込むわけですが、
加入したあとに掛金月額を
増額(減額)することも可能です。

昔は減額の際の手続きはやや煩雑でしたが、
2016年の法改正で減額についても増額と
同様の書類のみで手続き可能となっております。

また、所得(稼ぎ)がなくなったり
被災・入院した場合には
半年または1年の間、
掛金の掛止めをすることも可能です。

次に受取金について。

共済金(解約手当金)

次は掛けたお金を受け取る場合です。

受取金は大きく分けて2種類あります。

共済が設定した事由に基づいて受け取る「共済金
そして、契約者の自己都合による「解約手当金

「共済金」は6ヶ月(一部は12ヶ月)以上
加入していれば受け取ることができます。
「共済金」の受取額が支払った金額を
下回ることはありません。

「共済金」の受取額は
掛金支払期間(長いほど有利)や
受取の請求事由によって
金額が異なります。

個人事業者が廃業した場合、
法人が解散した場合、
最も受取額が有利になる
「共済金A」になります。

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5年でも多少増えて戻ってきます。

スクリーンショット 2019 10 15 18 03 01

個人事業者が65才以上になり、180ヶ月以上掛金を払っている場合(老齢給付)、
法人の役員が65才以上になり、または病気等の理由で役員を退任した場合、
次に受取額が有利な「共済金B」になります。

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先ほどの「共済金A]と比べると
同じ20年でもやや少なくなります。

他に「準共済金」という受取事由もあります。

一方で、
任意で解約する場合、
掛金を12ヶ月以上滞納した場合、
「解約手当金」という形で
受け取ることとなります。

掛金納付月数が240ヶ月(20年)未満だと
それまでの掛金合計額を下回ります。

掛け金支払月数が12ヶ月未満の場合は掛け捨て。
つまり、0円です。

12ヶ月以上84ヶ月未満までは80%、
84ヶ月から6ヶ月単位で段階的に率が増加し、
240ヶ月(20年)で100%になります。
以降段階的に増加し、最大で120%に到達します。

<240ヶ月掛けて解約>

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<60ヶ月掛けて解約>

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(12ヶ月以上加入しているとして)まとめると、

「共済金」の受取りであれば掛金よりも多く受け取る
「解約手当金」は20年を経過しないと目減りする

短期間での解約事由に陥らないかぎり、
収支はプラスに働きます。

受取時に税制上の優遇あり

加入して掛金を支払うたびにそれに見合った
納税額の圧縮が図れるわけですが、
後日「共済金」として受け取る金額については
前述のとおり、税金がかかります。

しかし、税法上の取扱いが

一時受取なら退職金(退職所得
分割受取なら年金(公的年金の雑所得

と納税者にとって有利な計算方法が
採用されることになっています。

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これがどういったことを意味するかというと

現役時代の重めの課税を回避し、
引退時に軽めの課税を受け入れる

こうした(一種の)すり抜けを
可能にしています。

現在の税負担があまり重くないならば
この恩恵も大したものではありませんが、
課税対象金額(課税所得)が多く
税負担が重い方にとっては
非常に有益な制度といえます。

「解約手当金」は税制上「一時所得」となり、
必ずしも有利に働くとはいえません。

貸付制度もあり

事業の運営資金に困窮してしまうことが
あるかもしれません。

そんなときには貸付制度が利用できます。

年1.5%で、既に支払った掛金の7~9割を
借りることができます。

帳簿外に資金をプールするという効果もあります。

まとめ

上述したことから、
加入資格(要件)をクリアしているなら
これは入っておくべき制度です。

現役時代:掛金による節税効果
     将来に向けての積立
     もしものときの簿外積立

老後時代:低い税負担による収入
     

こうしたメリットがあるからです。

そして、共済金の受取額は
加入期間が長ければ長いほど
利率(利回り)がよくなります。

独立してフリーランスとして活動を始めたら
小さな掛金でもいいので早いうちに
始めておきましょう。

ただし、1,000円で10年間掛けていて
その後70,000円で10年掛けた場合、
69,000円に対応する部分は
10年分の利回りしかつきません。

今は減額手続きも簡素化されているので、
支払えるときは頑張って支払って、
無理が生じたら掛金月額を減らすのが
いいかもしれません。

早期に解約してしまったら
手当金は大きく目減りする点は
留意してください。

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【編集後記】
先週日曜日、徳島県まで遠征登山に出向く予定でしたが
前日の台風の影響が読めないので中止しました。
土曜日の雨風をネットでモニタリングするかぎり
大丈夫そうではありましたが、念のため。
ということで地元の明神山を登りました。
滑落即死亡という絶壁の上を歩いたり、
最後の最後で20分ほどの急登あり、で
楽しい山登りとなりました。
ただ、山頂からの眺望はイマイチだった。

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❐石田修朗税理士事務所HP

石田修朗税理士事務所[姫路]

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。