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カリスマ社長が退任した後の組織構築のための良書です。
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目次
洋書の翻訳本ですが、対話形式で読みやすい
今日紹介するのは、『ザ・ビジョン』という本です。
この本はケン・ブランチャードさんの著書で、
原題は“FULL STEAM AHEAD!”と言います。
蒸気機関の言葉で“全速前進”を意味するそうです。
本書は、父親が興した会社を継いだ2代目社長のジムと
新入社員のエリーとの対話形式となっています。
ジムは有能ではあるものの、組織の拡大に伴って
父親時代のような家族的団結が希薄になっていることを
なんとかしたい、と考えます。
ジムはあることをきっかけに、毎朝従業員に
メールを配信し、メッセージを伝え始めます。
この会社に中途採用で入社したエリーは、
誰がいったいこんなメールを自分のアドレスに
送ってくるのかわからない。
というところから物語がスタートします。
『全速前進』するためのビジョンに必要な要素
誰もが自分たちの使命を心得、何を、何のために
行っているかを理解していた。
・・・強い信頼と尊敬の念で結ばれていた。
幹部の上意下達ではなく、進んで社員に責任を分担させた。
それもこれも、共通のビジョンがあり、めざすべき目標と
方向性がはっきりしていたからだ。従業員ひとりひとりが、自分で判断する権限を与えられていた。
・・・自分の行動には自分で責任をもち、自分の将来も、
行員を座して待つのではなく、自分の力で切り開いた。
各自が自分らしい方法で実力を発揮できたし、個性が尊重された。
それもまた、全員が会社という船に乗り組んだ仲間同士という
自覚を持っていたからだ。
という一文があります。
“FULL STEAM AHEAD!”、つまり、『全速前進』とは、
はっきりした目的をもち、その実現に一生懸命取り組み、
きっと実現できると自分を信じる——つまり『ビジョン』を
もつことによって、どんな障害があろうと断固として
前進していくことである。
このような『わが社のビジョン』を生み出すためには
『わが社の目的』を確認する必要がある、としています。
そして、本書では、『ビジョン』の要素として、
1.有意義な目的
2.明確な価値観
3.未来のイメージ
この3つが必要であると分析していきます。
こういった堅くなりがちなテーマを、対話形式で
いろんな事例を織り込んで、そのひとつひとつに
“なるほどな〜”と思わせながら、話は進みます。
『ビジョン経営』の実践プロセス
次に、『ビジョン』を現実にするために必要なこととして
「看板に掲げるだけでは、ビジョンにならない。
ほんもののビジョンとは、額に入れて飾っておくものではなく、
現実のなかで体験されていくものである。」
具体的なポイントは
1.ビジョンを創造するプロセス
2.ビジョンを伝えるプロセス
3.ビジョンを実践するプロセス
この3つである、と。
とくに、ビジョン創造のプロセスにおいて、自分の考えた
ビジョンを従業員に根付かせようとするジムに対して
エリーがこう言います。
「この会社のリーダーとしてのあなたの役割は、人々に
ビジョンを語らせ、彼らのビジョンを守ることであって、
ビジョンを“私物化する”ことじゃないわ」
「ビジョンはみんなのビジョンであるべきよ。さもないと、
それはあなたのビジョンになっても、みんなが共有できる
ビジョンにはならない」
『わが社のビジョン』とはいわば『接着剤』のようなもので、
これがあるから従業員が一丸となって行動することができます。
従業員を雇い入れて商売を行う経営者の多くは、人の問題で
悩まれているように感じます。
それも、もっと飛躍してほしいのにその能力が不足している、と
嘆く方が少なくありません。
しかし、本当にそうでしょうか?
もしかしたら、経営者が考える会社の方針が一人よがりのもので
従業員にまったく共感を得ていない可能性はありませんか?
そうだとしたら、その悩み・嘆きは経営者側にも原因があります。
心当たりのある経営者はもちろんのこと、これから
起業されて人を雇い入れる予定の方には、ぜひ本書を
手にとっていただき、ビジョン経営へのアプローチ
手法を知っていただきたいと考えます。
ではでは。
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【編集後記】
今朝の時点で、姫路城周辺の桜は
まだ咲き始めといった感じでした。
きっと週末は多くの方が、桜をまとった
姫路城を期待して訪れそうですので、
なんとか散らずにもってほしいものです。
【昨日の一日一新】
六代目百合(芋焼酎)
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石田 修朗
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