スポンサードリンク
貸借対照表における流動・固定分類のルールはこのようになっています。
スポンサードリンク
目次
1年基準(ワン・イヤー・ルール)
会社が第三者に資金を貸し付けた場合、
貸借対照表の資産の部に貸付金として
計上する必要があります。
その際には、1年基準に基づいて
「短期貸付金」として流動資産に表示するか、
「長期貸付金」として固定資産(投資〜)に
表示するか、を決定することとなります。
1年基準とは、
貸借対照表日(決算日)の翌日から起算して
1年以内に期限が到来するものを流動項目に、
1年を超えて期限が到来するものを固定項目に
表示するという分類基準、です。
注意しなければならないのは、
貸付期間が1年以内か1年を超えるかで
分類されるのではない、ということです。
通常、「短期貸付金」というと“貸付期間が短期”と
いうイメージになりがちですが、正しくは、
“1年以内に返済される貸付金”のことになります。
例えば、3月決算の会社が10月1日に
期間2年という約定で貸し付けた場合、
昨年の貸借対照表では「長期貸付金」、
今年の貸借対照表では「短期貸付金」として
その債権が表示されることとなります。
![スクリーンショット 2014-09-18 16.31.33.png スクリーンショット 2014 09 18 16 31 33](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2014/09/98041a0420646e89e14e3104f00c1a6e.png)
これは、借入金についても同様です。
借入期間の長短ではなく、
“1年以内に返済期限が到来するかどうか”で
「短期借入金」「長期借入金」の
流動・固定分類をする必要があります。
正常営業循環基準
今回は、1年基準にスポットを当てましたが、
これ以外にも流動・固定分類する基準があります。
代表的なものは正常営業循環基準です。
正常営業循環基準とは、
企業の正常な営業循環過程を構成する資産・負債は
すべて流動項目として表示するという分類基準、です。
この基準によって、
現金、受取手形、売掛金、商品、支払手形、買掛金、
前渡金、前受金は、常に流動項目となります。
この基準は、1年基準に先がけて適用されます。
したがって、上記科目は、期限の長短にかかわらず
常に流動資産・流動負債となります。
貸借対照表を見やすくするために
上のルールを徹底することで、
「負債の部の流動負債の合計額をみれば、
今後1年での支払義務がわかる」という
効果(効能)があります。
逆に、1年以内に支払期限が到来する借入金を
「長期借入金」のままにしておくと、
流動負債の合計額以上の金額が
1年以内に流出することとなり、
財務諸表を受け取った者による
財務分析を誤らせる結果となりかねません。
会社の試算表は、内部管理のために
見やすく作成すればよいですが、
外部公表用の財務諸表を作成する際には
決められたルールを守って、
財務諸表を利用する者に誤った情報を
届けないように留意しましょう。
==============================
【編集後記】
大阪での打ち合わせのあと、
こだわりの見えるコーヒー店に。
実家で使っていたカップと
同じカップが出てきて、
ほっこりしました。。
![DSC00844.JPG DSC00844](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2014/09/DSC00844.jpg)
エルクコーヒー(西天満)
==============================
石田 修朗
最新記事 by 石田 修朗 (全て見る)
- 記念日に滝に行ってきた話 - 2020-09-01
- 【写真】2020年6月の活動報告 - 2020-07-05
- 【備忘録】2020年5月の姫路城写真活動報告 - 2020-06-01