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多くの業務を遂行するとなると、人と仕組みが必須ですよね。
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目次
人を雇用するメリット
人を雇うことで生じるメリットは当然あります。
自社の商品・サービスをより多くの人に
提供したい、という場合、人を雇用しないと
それが実現できないことが多いでしょう。
また、粗利50万円の仕事を23万円の給料の担当者が
きっちり遂行してくれた場合には、企業には
27万円の利益が残り、結果的に経営者の報酬を
増やすこともできます。
しかしながら、デメリットも存在します。
事業をスタートする場合には、
その両面を知っておく必要があります。
では、どんなデメリットがあるのでしょうか?
人を雇うと増える金銭的負担
人を雇用するということは、
その人の生活を支えることと
同意です。
じゅうぶんに生活していけるだけの
給料を渡す覚悟がなければ、
人を雇用するべきではないでしょう。
ただし、人を雇用することで
経営者にかかってくる負担は
給料以外にもあります。
人を雇うことによる負担について
決算書の科目ごとに紹介します。
給料手当
まず、もっとも大きな負担は“給料”です。
正社員さんの固定給料や残業代はもちろん、
アルバイトさんやパートさんの時給計算の
支給も、すべて給料です。
自分が従業員だったとした場合に、
現在の仕事内容で納得できる(満足
ではありません)金額を支給する
ようにしましょう。
「さすがにこの金額は自分だったら
納得できないな」というような
額しか支給しないのは、
客という立場を勘違いして、
会社に納期や値段で無理難題を
押しつける構図と変わりありません。
従業員は会社の顔であり財産です。
従業員にこびる必要などありませんが、
「仕事を押しつける」のではなく、
「(給料に見合った仕事を)依頼する」と
いう感覚を忘れてはならないでしょう。
賞与手当
いわゆるボーナスです。
これは通常、業績や特別功労に
応じて支払われるものであり、
必ず支給するというものでは
ありません。
特別に評価したいときなどに
柔軟に利用すれば良いでしょう。
法定福利費
雇用保険
従業員を雇い入れた場合、
必ずかかってくるのが
“雇用保険”です。
これは政府が管掌する
強制保険制度です。
労働者(アルバイト・パート含む)を
雇い入れた場合には、原則として
強制的に適用されます。
この雇用保険制度は、労働者が失業した場合
及び労働者について雇用の継続が困難となる
事由が生じた場合に、労働者の生活及び雇用の
安定を図るとともに、再就職を促進するため
必要な給付を行うものです。
平成28年度は、一般事業であれば
従業員が給料の0.4%を、
事業主が給料の0.7%を負担し、
これを後述する労災保険料とともに
『労働保険料』の申告として
厚生労働省に納付します。
この計算には、賞与や通勤手当も含みます。
労災保険
こちらも、労働者を雇い入れた場合には
強制的に適用されます。
対象はアルバイト・パートを含みます。
この労災保険制度は、労働者が業務上の
事由又は通勤によって負傷したり、
病気に見舞われたり、あるいは不幸にも
死亡された場合に被災労働者や遺族を
保護するため必要な保険給付を
行うものです。
業種によって、保険料の率が異なります。
こちらのページの中ほどに、
「労働保険料の負担割合」という箇所が
ありますので、こちらから参照ください。
平成27年度からは、卸売業、小売業、
飲食店業の場合は0.35%となっています。
この労災保険料の計算においても、
賞与や通勤手当は含みます。
この労災保険料と、前述の雇用保険料は
制度的には別の保険制度ですが、
両者を併せて、『労働保険料』として
厚生労働省に納付します。
金額の多寡によって、年1回の一括納付、
もしくは年3回の分割納付をすることになります。
社会保険料
法人の場合には、健康保険・厚生年金への
加入が義務づけられます。
健康保険については、各業界での健康保険組合や
中小企業向けの政府管掌の「協会けんぽ」があります。
組織によって仕組みや負担額は異なりますが、
中小企業にとって一般的な「協会けんぽ」と
厚生年金の組み合わせによると、兵庫県では
合計で月額報酬の27.898%を企業と従業員で
折半します。
約14%の負担が、企業に生じることになります。
まとめ
飲食店を例に取ると、
労働保険料において、
雇用保険0.7%、労災保険0.35%、
社会保険料が約14%、ですので、
合計で約15%の負担増となります。
20万円の給料を支給する際には、
23万円の負担になるということです。
福利厚生費
従業員の話を聞いたり、
モチベーションを上げるために
ごはんに連れていったり、
社員旅行に連れていったり、
そうした場合の費用は
この科目で計上されます。
旅費交通費
この科目の中に入ってくるのが、
“通勤手当”です。
出張の場合の日当や宿泊費用なども
この科目で計上することになります。
人を雇うと増える時間的負担
負担が増えるのは、何も
お金の面だけではありません。
仕事のノウハウを指導する時間、
業務進捗などを管理する時間、
業務マニュアルを作成する時間、
こうした時間的負担も生じます。
お客様は会社に仕事を依頼しています。
担当者が従業員だからといって
ゆるい仕事で済まされるわけではありません。
一人前になるまで、またなってからも、
経営者は常に従業員のフォローと教育に
時間を割かれることになります。
ここをないがしろにしてしまうと、
業務内容のレベルが低下し、
お客様の満足度が低下し、
顧客に満足してもらえる
サービスを提供できなくなります。
経営者の決断と企業理念
人を雇用するかどうかは、
まちがいなく経営の上での
大きな決断事項です。
それによって、提供できる商品や
サービスラインナップもちがってきます。
そして、従業員の人生の一部を預けてもらう
わけで、簡単に辞めさせたりなんてできません。
どちらのスタイルでいくのか、を
きちんと検討した上で、
もし人を雇用する経営スタイルでいくなら
覚悟を決めて人を雇うようにしましょう。
従業員が会社の業務にやりがいを感じ、
納得して動く会社は、お客様からの
サービス満足度も総じて高い実感があります。
そうなれば、会社としても、
手厚い待遇をしようと思いますよね。
そのために効果的なのは、
『企業理念』をつくることです。
『企業理念』とは、“経営者の想い”です。
これを共有することで、従業員と
経営者が一体となり、
「迷わない、ぶれないサービス提供」を
遂行することができます。
「迷わず、ぶれない」会社は
顧客からの信頼も高くなります。
ひとり事業の場合にも、『企業理念』は
在る方が絶対に良いですが、
人を雇用する場合には、よりいっそう
その重要性は高まります。
松下幸之助さんも取り入れた
『企業理念』による経営手法、
経営者自身の軸を定めるという
意味でも、従業員と会社を
一体化するという意味でも、
ぜひ作り上げましょう。
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【編集後記】
今日からプライベートで
広島・宮島の旅です。
宮島泊なので、
夜の宮島が楽しみです。
【昨日の一日一新】
まごころ手と手
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■ 石田修朗税理士事務所HP
開業支援・経営計画支援の石田修朗税理士事務所
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石田 修朗
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