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国や都道府県、市町村から交付された補助金は利益です。

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利益はときに悩みの種となる

事業を営むうえで是が非でもほしいもの、

それは利益、つまり儲けです。

 

「いや、儲けなくていいねん」という人も

中にはいらっしゃるでしょうが、

それは儲けすぎなくていい、の意味であって、

本当に儲けなくていいわけではないでしょう。

儲けがなければ、事業が続けられませんので。

 

しかし、利益はときとして

事業者を悩ませます。

 

税金です。

 

日本の税制では、原則として

「得をしたら税金がかかる」

ことになっています。

 

それは、事業者だって同じです。

 

会社(法人)を営んでいれば

利益(もうけ)に対して、

法人税や事業税、住民税といった

税金が課税されます。

『利益 × 税率』という算式ですので、

利益が多くなると、税額も多くなります。

 

だから、事業者にとっては

利益はありがたくもあり、

悩みの種でもあるのです。

 

 

補助金、助成金は利益

さて、6,000万円の投資で行う

新規事業があるとします。

 

この事業は甲市にとっても

有益な事業です。

 

そこで、3分の2を負担する

補助金制度を設けました。

 

甲市に所在するA社は

この補助金制度を利用して

その新規事業を展開することとし、

甲市に補助金の申請を行い、

それが受理・承認されました。

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一方、乙市に所在するB社は

乙市に同様の制度がなかったので、

自己資金のみでその事業を始めました。

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これ、B社に比べてA社は得していますよね?

 

そう、こうした補助金は利益となり、

課税の対象となります。

 

補助金への課税

いきなり、は具合悪い

理屈からして、「得をした」以上、

課税されることは仕方ないとします。

 

しかし、補助金をもらって新規事業へ

投資しようとした矢先に

納税が立ちはだかってしまっては

補助金の全てを

投資に充てることができません。

 

4,000万円の補助金に対して

33%の税金がかかるとすると

1,320万円の税金が

確定申告とともに流出します。

とすれば、実質的な補助は

2,680万円しかないことになります。

 

これでは、支給した側にとっても

本末転倒です。

 

そこで、税制上の優遇制度が

設けられています。

 

それが<圧縮記帳>です。

 

 

課税を繰り延べる<圧縮記帳>

この<圧縮記帳>というのは、

「課税の繰延べ」を目的とする制度です。

 

決して、課税を免除するわけではありません。

 

「補助金を受け取ったときに課税するのはやめたげる」

「けど、その分は今後少しずつ納税してもらうよ」

 

という話です。

 

この圧縮記帳制度の対象となる補助金の代表例は

「国、都道府県、市町村から交付されるもの」で

「固定資産の取得または改良に充てるためのもの」です。

(対象となる補助金はこの他にもあります)

 

その圧縮記帳とは、こんな制度です。

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“一時的に”っていうのがミソなんです。

 

では、具体的に数字を入れて考えると

このようになります。

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そう、今後の減価償却の対象となる金額が減ります。

 

これによって、補助金を利益としては認識するけれども、

受給したときに課税されないようにして、かつ、

補助金をもらったことによる「得した部分」への課税は

そのあとの減価償却費の減額によって行われます。

 

ん?ちょっと文字だけで見ていても

わかりづらいですよね?

 

比較した図を見てみましょう。

 

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そう、この制度のイメージとしては、

今後の減価償却費の先食い、です。

 

「なんだ、それだけか」

「だったらトータルでは変わんないのか」

「補助金を課税されずに済むわけではないのか」

という感想を持たれたとしたら

それは正解です。

長い目で見れば負担は同じです。

 

ただし、上でも述べましたが、

設備投資の際に補助金をすべて

使えないというデメリットは

回避することができます。

 

そして、実効税率が少しずつ下げられている

現状を考慮すると、課税を繰り延べることで

若干の節税にもなります。

 

そうした意味で、

この制度は使えるなら

使っておいて損はない、

そんな制度です。

 

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【編集後記】

10月半ばに友人と

竹田城アタックしてきます。

ということで、

今朝は姫路城に向かって

望遠レンズの試し打ち。

 

【昨日の一日一新】

とある金融機関の会議室

日本政策金融公庫 姫路支店

 

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❐石田修朗税理士事務所HP

開業支援・経営計画支援の石田修朗税理士事務所

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。