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「無理に売ろうとしない」スタンスでも、ファンは買います。

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突き抜けたクラフトビール

ビールに何を求めるか、
のどごしだったり
コクだったり、
人それぞれですよね。

それはきっと、
飲むときの状況によっても
変わってくるでしょう。

わたしは一番好きなのは
サッポロ黒ラベルですが、
夏の暑い日の一杯目には
スーパードライが格別に
感じます。

そんなビールという飲料は
まちがいなく日本で最も
愛されるアルコールです。

多くの国内メーカーが
しのぎを削る成熟産業に
個性的な手法で挑んでいる
国内メーカーがあります。

『ヤッホーブルーイング』と
いう会社です。

この会社の出す“エールビール”は
昔友人宅で「めちゃくちゃ評判の
ビールを取り寄せた」パーティーに
招かれて、そこで飲みました。

なんとも言えない
フルーティーな香りがして、
よくも悪くもビールっぽくない、
そんな印象でした。

ただ、その後スーパーやコンビニで
見かけることもなく、
手にすることもないまま、
数年が経過していました。

そんなビールのことを、わたしに
思い出させたのがこちらの本。

この本を読了してから
ふたたび例のビールを
買いにいくまでに、
わずか数時間しか
必要としませんでした。

三宮のダイエーが昨年夏に
食品に特化して酒販コーナーが
かなり充実しているので、
あそこなら売っているだろうと
思って店を覗くとビンゴ!
他のクラフトビールに囲まれて
ヤッホーさんのビールも
数種類展開していました。

そして買ってきたのがこちらの3本。

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どれも美味しくいただき、
すっかりファンになって
しまいました。

さて、この本では、
ヤッホーさんのこれまでの
挫折と失敗、栄光が時系列で
紹介されているのですが、
そんな中で「ごもっとも」と
唸る記述もたくさんありました。

どれも、小規模事業者が
成熟した市場で生き抜く
ために必要なスタンスだと
共感しました。

その中のいくつかを紹介します。

小規模ビジネスに必須のスタンス

正解からの決別

「世の中的に正解」とされていることを
やってはいけない。
ときにはあえて常識の逆を行くことも
必要なのです。ネーミングから味から
デザインまで、あらゆる場面で新規性が
高くなきゃ、相手にもしてもらえません。

これは、缶のデザインやネーミングを
検討したくだりで紹介されていたものです。

写真を見ていただいたらわかるように、
『よなよなエール』の缶は黒が基調です。

黒ビールではないのに、“黒”です。

ビールという巨大市場で、
すでに大手がその市場を席巻し、
イスにどっしりと腰掛けています。

そんな業態に後発として
チャレンジするのですから
同じじゃダメですよね。

味わいある個性豊かなエールビールを
夜な夜な飲んでもらうことを夢見て
『よなよなエール』

とてもよくできたネーミングです。

ただ、ビールを売ろうとしたときに
このネーミング、この缶デザインは
やはり常識と距離を置かずして
生まれなかったでしょう。

100人のうち99人がそっぽを向いても、
たった1人でも大ファンになってくれる
のであれば、算入する価値はある。

まさに、弱者の戦略です。

しかし、小規模ビジネスでは、
絶対に必要な視点です。

この視点がなければ、身を粉にした
価格競争に飛び込んでいき、
睡魔と闘いながら命を削って
事業を進めざるをえなくなります。

それはちょうどいい

ヤッホー社の社長の井手さんは
なにかよくないことが起きたとき
こう考えたそうです。

「それはちょうどいい」

人は望まざることが生じたときに
どうしても自分にとって悪い色を
つけてしまいがちです。

しかし、目の前に存在するのは事実で、
それを々感じるかはその人次第です。

だったら、その望まざることに対して
ネガティブは感情をグッとこらえて
「それはちょうどいい」と念ずるそうです。

この、望まざることに対する姿勢が
そのあとの会社の成長に繋がっていきます。

コンセプトを明確にする

彼らのスタイルは「知的な変わり者」です。

このコンセプトの元、
多くの情報発信を行い、
たくさんの失敗をしながらも
成功体験を積み重ねて
“11年連続増収増益”という
今があります。

では、小規模事業者が必ずしも
「知的な変わり者」である必要が
あるかというと、それはちがいます。

大切なのは、

・自らを定義するコンセプトの確立
・嫌われることをおそれない情報発信

でしょう。

少ないファンでも成立するところが、
小規模ビジネスの強みです。

固定費も多く、規模を稼がないと成立
しない大企業にはできない戦略で、
ぶつからずに生き抜くことも
小規模ビジネスのやりがい
でしょうかね。

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【編集後記】
あれこれとやりたいことが
次から次に出てきて
ごちゃごちゃしてきました。
いったん立ち止まって、
工程を整えます。

【昨日の一日一新】
インダスレイ 南インドランチ

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■ 石田修朗税理士事務所HP

開業支援・経営計画支援の石田修朗税理士事務所

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。