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過去本試験で出題実績のある取引について確認しましょう。

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クロスライセンス契約についての考え方

クロスライセンス契約とは、例えば特許権や著作権などの
相互使用契約のことです。

平成17年本試験(計算)において、出題されました。

どのような資料だったかを簡単にまとめると、

国外に支店等を有していない甲社(課税事業者)は、
国外に住所を有する個人Aと著作権の相互使用契約
(クロスライセンス契約)を締結。
甲がAに支払うべきA所有の著作権使用料の金額から、
Aが甲に支払うべき甲所有の著作権使用料の金額
500,000円を相殺した差額416,000円を支払っている。

この場合の消費税の課税関係を紐解いていきましょう。

消費税の世界では、さまざまな判定を売上高で行うこともあり、
総額での把握が基本となります。

交換があった場合などもそうです。

差金部分だけを認識するのではなく、「売上」と「仕入」を
両建てで認識しますよね。

クロスライセンス契約も同じです。

差金部分の416,000円だけを「仕入」として認識するのではなく、
「売上」と「仕入」を両建てで認識する必要があります。

そこで、まずは取引の整理から。

実態はこのようになっていますが、

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これを消費税の世界でみると、こうなります。

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このような2つの取引の集合体と捉えます。

著作権の使用料は、著作権の貸付けの対価です。

著作権の貸付けの場合の内外判定は、
貸付けを行う者の住所地で行います。

では、それぞれについて確認していきます。

売上側

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甲社にとっての売上は、甲社所有の著作権の貸付けです。
この取引の内外判定は、貸付けた者である甲社の住所地で行います。
甲社の住所地は国内であることから、この取引は国内取引に該当します。

甲社は、国内における課税資産の譲渡等のうち、輸出取引等である
“非居住者に対する無形固定資産等の貸付け」を行っていることから
甲社が収受すべき500,000円は輸出免税売上高として
処理されることになります。

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仕入側

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甲社にとっての仕入は個人A所有の著作権の借受けです。
この取引の内外判定は、貸付けた者であるAの住所地で行います。
Aの住所地は国外であることから、この取引は国外取引に該当します。

したがって、甲社が支払うべき916,000円は不課税仕入となるため、
とくに処理することはありません。

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おまけ

このように、消費税の世界では基本的に総額で見ていきます。

たとえば、お互いの出版物やホームページに相互に広告を
掲載する、いわゆるバーター広告についても、「売上」と
「仕入」を両建てで把握する必要があります。

では。

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【編集後記】

試験まで4週間をきりました。
本試験まで、あとどれくらい勉強時間を
確保できるかを見積もってみましょう。
その多寡によって対策の方向性が決まります。

【昨日の一日一新】

事務所のお隣さんからメロン半玉お裾分け

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。