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クリームチーズたっぷりのシナモンロール(200円)は生活必需品なのか?

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本日、衆議院解散

本日、衆議院が解散します。
来月14日の総選挙に向けて、
慌ただしくなってきそうですね。

安倍首相は、今週18日夜の記者会見で
21日に衆議院を解散することとともに
「消費税の10%への増税を1年6ヶ月延期して、
2017年4月に実施する」ことを明言しました。

消費税率が10%になる時期が確定しました。

消費税の増税について、私は基本的に賛成です。

時期については、景気の問題もあるでしょうが、
「上げます(延期するかも)」という今までよりは、
「(少し先になりますが、必ず)上げます」という
今回の方がすっきりしていていいですね。

これからは、消費税10%時代に対応すべく、
計画を練り直していかねばならないでしょう。

軽減税率の導入には反対です

一方、どうしても賛成しがたいものがあります。
それは自民公明で合意したと報道されている
「軽減税率」の導入です。

導入の理由として、生活必需品には本来の税率よりも
低い税率を適用することで、低所得者の税負担に
配慮することが挙げられています。

本当に低所得者への配慮となりうるのでしょうか?

税率を軽減すべきといわれているものの代表が食料品です。

食料品を購入するのは低所得者だけではありません。
高所得者も購入します。そして、購入金額は
当然ながら高所得者の方が多いでしょう。
そうすれば、軽減税率の恩恵をより多く受けるのは、
高所得者ということになります。

具体的にはこのようになります。

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食料品の中でも贅沢品とそうでないものとに分けて、
贅沢品には高い税率を課せばよい、という意見もあります。

この場合、贅沢かどうかという線引きは非常に難しくなります。

欧米各国で軽減税率が導入されているのだから
導入に問題はない、という意見がありますが、
本当に問題がないとは思えません。

例えば、冒頭のシナモンロールです。
気に入って、もう10年以上食べ続けています(^-^)
これは生活必需品でしょうか?贅沢品でしょうか?
同じ200円のパンでも、バゲットは?クロワッサンは?

フランスでは、チョコレートについて、カカオの
含有量が50%未満のものは軽減税率になります。

自分へのプチご褒美として事務所に置いてある
このチョコレートは、生活必需品になります。

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いったいどこからが贅沢品ということで線引きするのでしょう。
適当な方法がわたしには皆目見当がつきません。

線引きをしようとすると、それを決めるのは法律であり、
そうなるとそこに利権が発生することになります。

書籍や新聞などにも軽減税率を適用すべき、という声が
あるようですが、そうなってくると立法府である国会には
利権が渦巻くこととなります。

企業に内部統制が必要なように、国会にも不正リスクを
事前に排除する考え方が、残念ながら必要に思います。

また、現場レベルでもたいへんな混乱が生じます。

経理処理する際に、今までであれば、消費税が
課税されているかどうかを判断するだけで
よかったため、領収証や請求書までさぐらなくても
経理事務が行えましたが、軽減税率が導入されると
日々の経理事務において、一つ一つ検証する必要が
出てきますので、作業時間の大幅な増加が予想されます。

そうすると、売上に直接貢献しない経理事務に係る
コストが増大し、日本経済にとってもよからぬ影響が
出ることでしょう。

軽減税率の導入はやめてほしいものです。

給付付き税額控除の可能性

では、一律に増税してもいいのか、ということについては、
やはり何らかの対策が必要だと考えます。

有効性があると考えられるのは、「給付付き税額控除」でしょう。

これはいわゆる“戻し税”です。
軽減税率の導入が低所得者への配慮という理由であるとするならば、
低所得者についてのみ、税金を払い戻す制度にすればいいのです。

軽減税率を導入すると、高所得者もその恩恵を受けますが、
この制度であれば、低所得者だけが対象となるため、
高所得者がその恩恵を受けることはいっさいありません。
低所得者への配慮という趣旨において、圧倒的に優れています。

さらに、利権が生じることもありません。

ただし、この制度を導入するためには、国民一人一人の
所得を正確に捕捉する必要があります。

いわゆるマイナンバー制度の導入が不可欠です。

マイナンバー制度を確立させて、個人金融資産からの
利子や配当も含めた正確な所得を捕捉できるようにして、
そのうえで低所得者へ税金の一部を戻すという仕組みこそが
低所得者への配慮という観点からは優れています。

なぜ軽減税率を導入したいのか、理屈からは理解できません。

マイナンバー制度(所得の捕捉)がいや?利権がほしい?
いろいろと勘ぐってしまいます(^^;)

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【編集後記】

いよいよ選挙が始まります。
国政選挙でも地方選でもいつも思いますが、
ベストな候補者ってなかなかいません・・・。
よりベターな候補者を選ぶというスタンスで
じっくりと政策・主張を吟味することが
大切なのではないか、と思っています。
あと、この人は当選させたくない、っていう
思いもけっこう重要かな、と思っています。

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。