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従来から求められていた財産債務明細書が、
「財産債務調書」として整備されました。
(画像は国税庁HPより)
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目次
財産債務に関する提出書類のルールが改正
従来から高所得者に対して提出が求められていた書類として
「財産債務明細書」があります。
国としては、お金持ちの資産を生前から把握したいんですね。
しかし、この明細書には、当局が税務調査を行う権限である
「質問検査権」が付与されていなかったうえに未提出でも
罰則がなかったため、記述が不十分であったり、
提出自体が行われないことも多く、その提出率は40%程度に留まり、
決して機能しているとはいえない状況でした。
国としては、適正・公平な納税のために、財産の把握を進めたく、
新たに「財産債務調書」制度として整備されました。
この「財産債務調書」は平成27年から適用され、
所得税の確定申告期限までに提出することが求められます。
したがって、平成28年3月15日が第一回目の提出期限となります。
提出基準の改正内容
従来
その年分の所得金額が2,000万円超の方に対して、
提出義務が課されていました。
改正後
その年分の所得金額が2,000万円超であり、かつ、
12月31日時点で所有する財産の時価合計が3億円以上
又は有価証券等の価額の合計額が1億円以上、
である場合に提出が必要となります。
この条件改正によって、保有財産が要件に加えられました。
提出義務者は従来と比べて大きく減ると考えられます。
ちなみに会社から給与を受け取っている方の所得計算は
次のとおりです。
平成27年は2,245万円、平成28年は年収2,230万円、
平成29年は年収2,220万円を超えると、
所得が2,000万円を超えることになります。
提出を促すための措置
提出を促すために、罰則だけでなく、
提出した場合の恩恵も設けました。
いわゆる“アメとムチ”作戦ですね。
財産債務調書がある場合の過少申告加算税等の軽減
所得税又は相続税について修正申告等があった場合において、
提出された財産債務調書に、修正の基因となる財産又は債務に
ついての記載があるときは、過少申告加算税又は無申告加算税の額は
通常課されるこれらの加算税額から、その加算税の計算の基礎と
なるべき税額の100分の5に相当する金額を控除した金額とする。
財産債務調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重
所得税又は相続税について修正申告等があった場合において、
提出された財産債務調書に、修正の基因となる財産又は債務に
ついての記載がないときは、過少申告加算税又は無申告加算税の額は、
通常課されるこれらの加算税額から、その加算税の計算の基礎と
なるべき税額の100分の5に相当する金額を加算した金額とする。
つまり、税務調査が行われるなどしてもれが見つかったときに、
財産債務調書に書いてあるものに関連していたら
加算税は5%軽減してあげるけれど、書いていなかった
場合には5%上乗せするからね、という話です。
過少申告加算税は10%もしくは15%、
無申告加算税は15%もしくは20%ですので、
5%の軽減や上乗せは、負担率としては
決して少なくないですね。
これからの留意点
マイナンバー制度の導入時の騒乱からも、
国に個人情報を把握されることを好ましく
思われない方もおそらく多いと思います。
ですので、この調書についても、抵抗感を
持つ方が少なくないことが予想されます。
しかし、これは法的義務ですので、
「出したくないから出さない」はダメです。
出したくないのであれば、要件から外れることを考えましょう。
財産を減らすか、所得を減らすか、です。
たとえば、会社経営をしていて、ご家族の中に
何人も所得2,000万円超の方がいらっしゃるなら、
(夫婦で2,500万円ずつ支給されている場合など)
役員報酬の設定を見直して、2,000万円超の人を
減らす方向(夫2,800万円、妻2,200万円とか)も
検討されてはいかがでしょうか。
こうすれば、夫の財産債務調書は免れませんが、
妻のそれは(他に所得がなければ)免れることができます。
しかし、不提出のペナルティーが加算税の上乗せだけだと、
「特に対策はしないが、これからも提出しない」という方も
まだまだ多いでしょうね。
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【編集後記】
昨日は息子と二人で外出。
姫路駅でドクターイエローを見学に。
昨日のはのぞみ式で、高速で通過するタイプ。
連写モードにするのをすっかり忘れていたため、
撮れたのはこの1枚だけでしたが、
息子は「黄色」を連呼していたので
いい思い出になってくれたと信じます(^^)
【昨日の一日一新】
息子とドクターイエロー見学
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石田 修朗
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