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1,000万円の壁を超えても、焦らず騒がず落ち着きましょう。

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(兵庫大仏 神戸市)

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『1,000万円の壁』

時節柄、2016年の
所得税確定申告のために、
売上を集計し、
損益の計算を
今まさにされている
フリーランスの方も
多いでしょう。
商店などを経営されている
個人事業主の方も同様です。

パート主婦の方が
『103万円の壁』を
意識されるように、
個人事業主の方は
『1,000万円の壁』
意識されていることが
多いようです。

そこに何が潜むのか、
“消費税問題”ですね。

ここからは、誰も雇用しない
ひとりビジネスを遂行する
フリーランスの方を前提に
お話しさせていただきます。

消費税の課税事業者とは

国内でモノを売ったり、貸したり、
サービスを提供したりする事業者は
お客さんから売上代金を頂戴する際に
その8%相当の消費税を預かり、
“一定の計算”をしたのちに
国に納付する義務がある。

コレがまず大前提。

この計算事務がわりと煩雑で
手間がかかります。

しかも、たとえば
売上が500万の事業者だと
預かる消費税は40万円。

そこに“一定の計算”を加えると
国に納付される消費税は
微々たるものになります。

その微々たる税の徴収のために、
中小零細の小規模事業主に
多大な事務負担を求めるのは
いかがなものか。

国税側としても、微々たる消費税を
かき集めるために膨大な申告書を
受け付けるのは費用対効果の側面から
必ずしも有効策とはいえない。

そんな出し手と受け手双方を考慮して、
小規模事業者については先ほどの
大前提をなしにしましょう、という
大号令が発せられています。

それが
『小規模事業者にかかる納税義務の免除』

これは、
売上が1,000万円以下の事業者は、
お客さんから消費税を預かり、
それを納付する義務はありません

というもの。

ですので、売上が
1,000万円以下の場合 → 納めなくていい
1,000万円超の場合  → 納めないといけない
となります。

これが『1,000万円の壁』です。

納めないといけない事業者のことを
“課税事業者”といい、
納めなくていい事業者のことを
“免税事業者”といいます。

売上が1,000万円を超えたらどうなる?

では、2016年に初めて
売上が1,000万円を超えたら
どうなるか、を見ていきます。

まず、2016年分の確定申告で
消費税を納める必要があるか、
それはありません。

2016年に初めて売上が
1000万円を超えた場合、
消費税を納める義務が
発生するのは2018年です。

ということは、最初の納税は
2019年3月ということになります。

これは、消費税のルールにおいて
課税事業者・免税事業者の判定は
2年前の売上によることと
されているからです。

逆に考えると、2014年に初めて
売上が1,000万円を超えた方は
2016年から消費税の納税義務が
発生し、2017年3月に初めて
消費税の確定申告をして
納付することとなります。

2016年に『1,000万円の壁』を
超えたとしても、すぐに納税で
しんどい思いをするわけでは
ありません。

2017年は免税事業者のままです。

2018年から法人を作れば、
そこから最長2年間は
ふたたび免税事業者です。

個人事業から法人に移行した場合、
個人事業時代の実績は
税務上は引き継ぎません。

どのように舵取りするか、
2017年の間にじっくりと
考える時間があります。

留意点

この記事でいうところの“売上”とは
厳密にいうと消費税法に規定する
“課税売上”のことをいいます。

土地の譲渡・貸付や住宅の貸付、
身体障害者用物品の譲渡などは
非課税とされているので、
こうした商売をされている方は
その売上は除外して計算してください。

本業がライターをされていて
不動産の貸付も行っている場合で、
本業の収入が800万円、
不動産の貸付収入が
360万円だったとします。

この不動産が事務所などの
テナント物件であれば、
360万円は“課税売上”となり、
この方の1年間の“課税売上”は
1,160万円です。

つまり、2016年に
『1,000万円の壁』を
超えるため、
2018年からは
課税事業者です。

一方、この不動産が住宅であれば、
360万円は“非課税売上”となり、
この方の1年間の“課税売上”は
800万円です。
つまり、2016年は
『1,000万円の壁』の
内側に収まるため、
2018年も免税事業者です。

この“非課税売上”とされるものは
全部で15項目しかありません。

一般的な商売で該当するのは
上で示したものくらいです。

気になる方はこちらを参考にしてください。

(国税庁HP) 課税取引・非課税取引

免税事業者についての話はこちら。

<参考記事>

<消費税>納税義務の免除制度vol.1 〜基本編〜

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【編集後記】
日曜日の激闘から一夜明け、
名だたる選手たちが
フェデラーとナダルの戦いに
惜しみない賛辞を送っています。
この2人はまさに格の違いますね。

【昨日の一日一新】
いつもとちがう駅前パーキング

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■ 石田修朗税理士事務所HP

開業支援・経営計画支援の石田修朗税理士事務所

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。