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人生を賭けるに値する資格ですが、試験の制度設計には問題があります。

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ここが変だよ、税理士試験

税理士受験生にはよく知られていることですが、
税理士試験は「模範解答」が公表されていません。

というか、驚くべきことに
「模範解答」は存在しない”と
いうことになっています。

<参考ページ>

「税理士試験の模範解答は存在しない。」平成15年7月24日答申 平成15年度(行情)答申第208号 – Markの資格Hack (税理士試験)

何千枚という膨大な数の答案を
公平性を担保しながら採点するのに
模範解答がないというのは
信じられないことではありますが、
国税庁(国税審議会)からは
そのように回答されており、
情報公開審議会の結論もまた
それを支持するものであります。

2018年5月、
あらためて切り込まれたようなので
その回答が待たれます。

開示請求No.13 審査請求書 模範解答は本当に存在しないのか、改めて切り込む – Markの資格Hack (税理士試験)

試験問題が与えられて
それに対して解答し、
答案用紙を提出する。

後日、合否判定だけが
伝えられる。

何が正解だったかは
発表されない。

情報公開が叫ばれるこの時代に
税理士試験はもはや制度設計が
前時代的であり、破綻していると
言わざるをえません。

別に採点ミスの可能性を声高に
叫びたいわけではありません。

不開示の最大の問題点は
作問に関するプレッシャーが
かかりにくいことです。

模範解答の不開示による弊害

模範解答が開示されないことで
起こりうる最大の問題点は
試験問題の不整備です。

つまり、作問ミスです。

模範解答が開示されるのと
開示されないのとでは、
試験問題作成時の緊張感が
まったく異なります。

不開示ということはそこに
「まぁ、多少のミスは仕方ないよね」
っていう気持ちを生まれやすいです。

仕方ないけど
仕方なくないんです。

仕方ないのは、ミスを防ぐ手立てを
十分に講じた結果のミスだけです。

税理士試験に求められるのは
適正な試験問題と公平性の確保です。

それらは「模範解答の開示」を
することで確実に向上します。

合否判定は正しく行われているものと
信じていますが、それでも不透明で
あれば、そこに疑念の余地を生みます。

官報合格者の調整をしているとか、
ありえないような噂流れるのも
模範解答の不開示にみられるように
試験の透明性を担保しようとしない
姿勢から邪推されてのことです。

逆に模範解答の不開示にこだわるとしたら
何を守ろうとしているのでしょうか。

模範解答の不開示で守られるもの、
それは“出題者側の責任”くらい。

模範解答が開示されなければ、
“出題者側のミス”は公に認めることなく
闇に葬り去れます。

事実、過去に明らかな出題ミスがあった場合でも
謝罪等が行われたことはありません。

<参考ページ>

税理士試験不適切問題集 カテゴリーの記事一覧 – Markの資格Hack (税理士試験)

逆に、模範解答を開示するということであれば
不適切な問題については回答不能となり、
ミスを認めざるを得なくなります。

それが作問者(出題者側)に緊張感を生み、
国家試験としての質が担保された
公平性の高い問題レベルの維持に繋がります。

実際に模範解答が開示されていないこれまでに
数多くの不適切問題が出題されていることからも
この推論は的を外してはいないでしょう。

変えたいなら当事者が動く

こうしたゆがんだ試験制度を
まっとうなものに変えたいならば
まずは受験の当事者が要望として
声をあげるべきです。

そこに熱量が存在しなければ、
出題側が模範解答の開示という面倒ごとに
わざわざ取りかかるとは思えません。

現役税理士が声をあげたとて
そこに熱量は生まれません。

制度改正への想いが
そこまで強くないですから。

先ほどのmarkさんのブログに
コメントを書き込むだけでも
彼の後押しになるでしょうし、
今後の協力体制の構築に
繋がるやもしれません。

markさんのブログを拝見していると
長年にわたる闘争での焦燥感からか
ときに語気が強すぎるきらいがあるし、
そこに懐疑的な目を持たれる方が
いらっしゃるかもしれません。
が、彼の動機と目的には
曇りはありません。

自分だけが得をするわけではない制度改革に、
自身の時間とお金、エネルギーを費やして
まっすぐに取り組まれています。

現状の制度に不満を抱く受験生のみなさん、
ぜひ立ち上がり一歩を踏みだそう。

改革を訴える当事者になったところで
変えられるかどうかはわからないけど、
傍観者のままでは何も変わらないんだ。

最後に〜お願い

年にたった一度の試験において
不適切な問題が出題され、
おおげさでなく人生設計が
狂わされる人がいました。

試験範囲を逸脱しない範囲で
傾向や難易度が変化することには
まったく異議はありません。

ただし、不適切な指示の結果、
なまじ知識のある人が悩まされ
袋小路に迷い込むような事案が
過去に何度もありました。

そして、そうした人がこれからも
生まれる可能性は排除できていません。

こうした可能性を排除することは
たとえ模範解答の開示があっても
ゼロにはならないでしょう。

しかし、模範解答の開示によって
その可能性が現状よりも
高くなることもまたありません。

つまり、模範解答の開示は
現状よりもよくなることこそあれど
悪くなることはありえないのです。

過去の本試験については、
「模範解答は存在しません」でも
かまわないです。

第69回以降の本試験は
どうか模範解答の開示を
検討いただきたいものです。

そして、試験委員の各先生方におかれては
模範解答の開示いかんにかかわらず、
受験生の人生を賭けるに値する適切な問題を作成し、
ミスなきよう入念にチェックいただくことを強く望みます。

【補足】

今回の記事は、これまでの試験委員の方々を
誹謗中傷する意図は毛頭ございません。
(ちょっと文句言いたい人もいますが・・・)

あくまでも、今後の制度設計について
建設的な議論を進めたいという狙いです。

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【編集後記】
9月はやりたいことをどんどん予定に入れて
時間を天引きして仕事をすすめています。
その結果、少しパンク気味に。
でも、この状況を乗り切るスキルが身につけば、
平常時はもっと快適になるはずなので、
負荷はかけていきたいです。

【昨日の一日一新】
山トレ中におじさんに話しかけられる

【今朝の登山トレーニング】
テニス練習があるので休み

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❐石田修朗税理士事務所HP

石田修朗税理士事務所[姫路]

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。